24.12.11

『年下の義姉』 星野聖

20歳の大学生男子を主人公が、28歳の兄の嫁、19歳の美少女と同居し……
そりゃやっちゃうよね。というのが大きなストーリー。

この年下の義姉、19歳でナイスバディの激カワイコちゃんなんですが、
もうこの設定だけで、ものすごい遠い場所に置いてかれちゃった気分で、
読む気をなくしていたのですが(当方、三十路のごく平凡な容姿)、
19歳の義姉が主人公をもてあそぶ系なのでがんばって読めた気がします。

そんな義姉の……

「オチ ン×ンって、大きくなったとき、こうしてすって反り返るでしょ。このカーブが、男らしくって好きなの」

ってのには激しくキュウンとしてしまった!(主に膣が!)

そして、このセリフが象徴するかのように、
この小説の中には主人公の滾ったペ ニスの表現が多いんですよ。
巨根アピールの官能小説は多いんですけど、ここではあくまでも巨根かどうか、ではなくて、硬いか硬くないか、どんだけ突き上げてるか、みたいな、勃起の描写。
(ちなみに18センチと明記されてましたから、結局大きい方になるのだが)


しかし、男根主義のセッ クスにはイラッとするくせに
男根の表現でジュンってなるなんて!

自分勝手なものですね……。
中に入っているのを想像しちゃうとね。

もちろんラストは乱交です。フランス書院文庫なので。


背徳感とかよりも、勃起表現がよかった、ということでした。
ま、男性の方ならかわいい義姉に困らせられたり、困らせたりするとことかに滾ること請け合いです。




7.12.11

官能小説座談会に参加しました

ダ・ヴィンチ電子ナビさんの特集「オンナもこっそり濡れる“電子”官能小説特集 (前編)」に、わたくし、渋谷ちかが参加させていただいてます。
女性の官能小説市場とか、どんな女性が読んでいるか、どんな読まれ方されてるか……とか、オススメ小説とか話してます。

よかったら読んでみてください。

6.12.11

『蜜妻乱れ咲く』 扇千里

ザ・寝取られ!!!!!! 

2009年、「NTR」一般的に認知された2009年に刊行された作品。
ちょうどAVでも、ジャンルとして寝取られ確立されたような?? そんな時期。ちょっとあやふやですが。

結婚10年、毎晩抱いてきた美しい妻に浮気を勧める夫。
ちょっと!! 毎日って!! でも、それだけセッ クスしてるからこそおかしく、新たな刺激が欲しくなってしまうってこと? セッ クスレス夫婦がカンフル剤的にスワッピングにいくとか、そうじゃないし、寝取られだけど、ハプニングバーとか、あやしいお店とかは一切でてこない。妻に寄ってきたきた男たちを利用する、夫の愛情過多ゆえ変態な夫婦の物語なのです。

ものすごい嫉妬心で、ものすごく興奮して、快楽がおおきなうねりとなって自分自身を犯す。その男性の血の滾る心の機敏など子細に書かれているのですが、この作品は今までの官能小説とは違ってて、う〜ん、一般的な小説っぽいというか、他の男性としているときの妻の心情などはわからないままなんですね。(※幻冬舎のこのレーベルではありがち)
夫の主観だけで一貫しているんです。
あ、でもラストの展開は、ああ〜官能小説だなぁってなってます。

夫の強い説得に応じて、好きでもない男に体を許すってどういうこと? って感じですが、わたしは寝取られ大歓迎ですぞ!!!! 
わたしの好きな男性が他の女性とするのをみると興奮する、というのではなくて、もし、仮にわたしの夫が寝取られ属性であったら、それは歓迎しますという意味ですね。だって色んな男性と関係がもてるじゃないですか、ラッキー! ってのではなくて、わたしのやってる姿をみて、わたしの好きな人が死ぬほど興奮する。そんな興奮するのみたら、わたしだって死ぬほど興奮する。どどどどどどどどざぶーん! と悦楽の大波にさらわれるに決まっています。
相手も興奮して、わたしもさらに興奮して、ますます気持ちよくなって快楽の倍々ゲーム?ってね。興奮の、合わせ鏡。

だけど実際にはこんなこと、あり得ないし難しいですよね。自分を男に置き換えるにその嫉妬心に打ち勝てる自信はないです。こんなの、夢物語がすぎます……。

しかし、この作品、カバーの内側の作家プロフィール欄には……
「一九六〇年代生まれの男女二人による共著。女性の視点からの取材を基に創作している。本作も実話も素材としており、登場人物は実在する」んだとの記述が!!!!
ファンタジーの仕掛けの一つかもしれないけど、どこまでが実話なのか気になる!



ちなみにこの小説、わたしはあまり濡れなかったけど、男の人はどうなんだか反応が知りたいです。


4.12.11

『蜜の競艶』 女性官能アンソロジー

吉沢華さんのを全部書いてしまおうと思っていたのですが、
さすがに4部作(勝手にいってます)の4作目ってちょっと飽きがでてしまって。
初めて読んだときはそりゃあもードキドキしたけど、今回4作連続で読み返したらね。
ちょっと、ぞんざいに書いてしまいそうで。


今日は女流アンソロジーシリーズのことを。

この『蜜の競艶』は著者陣が豪華で、みなさんタイプが違うものを書いているから、一通り読むと自分の好みを把握できてしまうんですね〜〜〜。え〜〜〜それくらいバラエティに富んでいるといっていいでしょうなぁ。月並みですが。

ラインナップはこちら。
岩井志麻子・菅野温子・鷹澤フブキ・内藤みか・黒沢美貴・南綾子・子母澤類・森奈津子
「人妻」などの制約などないアンソロジーなので、みなさんの、それぞれの個性がたった作品が多い。森奈津子さんははやり女性同士の官能だったりするし、岩井志麻子さんの語り口は、怪談のそれっぽい。菅野さんは男の人を菅野節でいい男に書いてるし、鷹澤さんのは女性上位だしね。
わたしがこの中で好きだったのは
●「快感人間ドック」鷹澤フブキ
女の人2人のじゃれ合い、男は玩具、みたいな扱いがツボにはいった。
●「海の匂い、波の音」黒沢美貴
思い出になぞらえて、切ない気持ちに官能をのせるなら黒沢さん! ラストの清々しさもいいです〜〜。
●「ひとりでさわって」南綾子
ひとりローター使いもおもしろい上に、あり得ないんだけど、こんなギリギリアウトな自慰プレイしてみたく思う。
●「スローな腰で抱いて」子母澤類
男のセックスの違い、ていうものを教えてくれる。これで抜かなかったけど、いい。

男性が興奮するために書かれたものよりも、そうじゃなさそうなのが好きなのかなーと自分の嗜好を思う。
でも、鷹澤さんのは、バッチリ男性向けの、イケイケな抜ける感じがよかったです。
ほんとに、この一冊で好みが分わかると思うなー。