27.11.11

『地下室』 吉沢華

今度の主人公はホテル王の娘と、お嬢様度がグレードアップ。
運転手、というか執事っぽい人もでてきて、『謎解きはディナーのあとで』っぽい感じですよ!
刑事とか、事件とかはでてこないけど、エロいセッ クスはたくさんでてきます。

そして、のっけから1作目『試着室』の主人公・入江亜弓が!
わたしの個人的にすきな耳元〜うなじの攻めも好調!

3作目になるので、少し新鮮味はないかな……
設定が人気のお嬢様ものだし、官能小説の王道っていうか、そうよね、こう落ちていきますよねってプロセス。
でも、吉沢さんだから女性の人に読みやすく、感情移入しやすい書かれ方になっていて、やっぱり、好きは好きなんですよね〜〜〜。



「地下室」は高級レストランのワインセラー。
VIP専用に用意された奥の部屋では、やはり乱交がくり広げられているのである。



25.11.11

『手術室』 吉沢華

吉沢華さんの中で今のところ(2011年11月)一番好きな、興奮した作品。

登場人物が着ている服も好きです。
例えば、名門女子大卒業後、病院長である父の秘書を勤める大河内麗子が着ているのが「生成りの麻のスーツ」だったり、黒のサマーニットにタイトスカート、くるみボタンのブラウスなど品良くて。
始めはモカブラウンのサテンのブラジャーにスーツだったのが、ノンワイヤー、ノンパットの総レースのブラにサマーニットだけのエロい装いに自然と変わっていくのもいい。
前作に引き続き、登場する音大生の入江亜弓もかわいらしい服装ででてくるし。

また、病院が舞台ということでギラギラした男たちが多そうなのですが、麗子がほれるのは、「細身の猫背」「紙袋を提げて歩く」「ギンガムチェックのシャツにジーパン姿は、まだ学生っぽさの抜けない若者」「今風にすこしボサついたナチュラルな髪型」「色白で神経質な横顔に眼鏡」な研修医。ちょっと! ちと母性をくすぐりそうな風貌! わたしも好みですたい! 

んで、麗子は処女のくせにこの研修医に強気にでて、誘ったり擦ったりしてしまうのだけれど、処女だということがバレて恥ずかしい思いをするんですね。
そして、恋して嫉妬する中で「内診台に縛り付けられた夜、ピンスポットが陰部だけを照らし、蠢く六本の手に貶められ」てしまう状況があったりと、もう大変。
最後は乱交へともつれ込みます。

一寸先はエロスのトラップ。
あり得ない状況で次から次へとエロ展開していく、官能小説の醍醐味味わえますよ〜。

2作目だからか、エロい表現が達者になった感じがする。エロ密度がすこし高くなったような。

24.11.11

『試着室』 吉沢華

試着室、ですよ!

もうきっと、いらやしい姿がうつる、鏡の密室でたいへんなことに……。
って想像するだけでたのしいわー!

もちろん、試着室以外でもいいシチュエーションで行為にはげむことになるんですが、この作品、試着室以外のもよかったなー。
始めに醜いおっちゃんに処女を奪われるっていうところがいまいちのりきれなかったけれど(濡れましたけど)、「第四章 吐息のスクリーン」からぐぐーーーっときたなぁ。

最終メインディッシュは乱交。でも、フランス書院のは違う、下品すぎないとか、あり得ない快感ではなくて、手が届きそうな、想像可能な快楽を折り重ねて書かれているから、読み手がギリギリで突き放されないとでもいいましょうか、そんな感じ。

だから、わたしこの作家さんが好きなのかも。女性から人気があるのもうなずける。
全著作を購入したのは吉沢華さんだけ! ……て、まだ5作品しかリリースされていないので、でる度に買っているだけなんですが。
漢字3文字シリーズ(わたしが勝手に命名)で
『試着室』
『手術室』★一番好き
『地下室』
『写真館』
と4作品続いているんですね。(最新作は『ネイルの囁き』)
まぁ、どれもありえない設定で、いいわー。

登場するキャラクターも作品によってはスライドして登場。
シリーズものの楽しみがあるのですよ。

●登場人物、特に主人公がお嬢様だったり、育ちがよくて品がある、美しく表現されている、ウブ
(お嬢様ものの小説シリーズとかに人気があるのと同じよね)
●必ず1人はいい男がでてくる
●周りの美人はだいたい淫乱
●耳への愛撫を忘れない
●ソフトSM枠で言葉責めの程度がよい
●装丁イラストの佐藤正樹さんがちょーよい

この辺がシリーズ通して共通して好きなところ。
登場する女性の名前も好きだわー。この人の作品があるから幻冬舎アウトロー文庫は女性のお客さんが多いって聞いても納得だわー。ここ数年デビュー枠では、やはり水無月詩歌さんとこの吉沢華さんだと思うわー。




※醜いおっさんに犯される妄想好きな女性は多いと思うので、好きな方にはもちろんオススメです!

23.11.11

『先生困っちゃいます』橘真児

エロボディを持ちながらも処女のドジッ子主人公がドタバタしちゃうコメディ。
ファンシーすぎて濡れるヒマがなかった。


ど天然娘の高卒認定試験予備校の新米教師・野嶋紗世里。
ゆえに処女。
舞台はもちろん、その予備校。
ひと癖ある生徒たちに翻弄される、という形。
しかし、ぶっとんでて、自称宇宙人(女子)とかでてくるんだよ!
ライトノベル風味にしてあるのか……??

あと、その紗世里せんせいのしゃべり方があの、ちょい古いあまったるい感満載で、でも、そういう設定だから仕方ないんだけど、本当に濡れないん。。。
ネタとして読む分にはめっちゃくちゃでおもしろいかもしれませんね。

とにかく1対1での行為が少ない。傍観者がかならずいるとか、オナニーも盗撮されちゃうし。
ラストのが1対1だけど、普通の場所ではないです。
あと、陵辱ツールとしてではなく、普通にオナラとかでてきて、微笑ましい官能小説でした。


20.11.11

『陵辱職員室 新人女教師【真由と涼子】』 夢野乱月

ア ナル、調教、緊縛、目隠し、放置、3P。

と、書いたメモが挟んであるこの小説。

夢野乱月先生のデビュー2作目で、このあと、精力的にフランス書院から著作を発表。
他の作品はまだ読んでないのですが、タイトルをながめる分にはこの路線でつき進んでいるのでしょうなぁ。

この手の小説にはよくある話ですが、
武道にも秀でた才色兼備の女性を手込めにするために
薬使ったり、恥ずかしい写真を使って脅しにかかる違法な手口を使います。


タイトルには新人女教師ふたりの名前だけ書いてありますが、「人形のような可憐な貌だち」のミス学園の16歳も登場!! 胸アツ! 
卑劣な主人公を囲むのはこちら。

16歳女子高生 燐として清楚
22歳新任教師 世間知らずでおっとり美人
27歳教師 プライドも高く文武両道、気丈な美人

始めの2人はすぐにおちる、またはすでに手中におちているんで、
メインは27歳がどう崩されているか、ですね。
レイプもの、痛そうなのには、ぜんぜん反応しないんですが、目隠しで放置される部分はぐっときました。
そんなの現実では有り得ないし、想像するとぞくぞくして楽しかった!

しかし、見た目がどうのっていうよりも、精神的に許せない、嫌いなヤツに犯されるというシチュエーションは、どの作品読んでもまったく濡れないファンタジーですね。


※ないと思っていたらありました↓。

16.11.11

『隣人レイパー【歪愛の標的】』 夏月燐

「レイパー」って書いてあるけど、和姦ですわこれ。ほぼ和姦。
主人公が男性なんですが、レイプするのは幼なじみの隣のお姉さん。
タイトルはちと仰々しいけれど、中身はそれほどではないというフランス書院の典型の一つ。

でもね、自分の中に少しでもM属性がある女性は、読むとくらぁってきますよ。脳の奥がしびれるんです。
経験したことないはずの行為なのに、読むだけで快感が襲ってくるのは本当に官能小説ならでは。文中に「マゾ」って頻繁にでてくるけど、腕を拘束とかしちゃってるけど、みんなが憧れる(『an・an』調べ)ソフトSMどまりです。

心理学を学ぶ22歳の大学院生・修が隣人の25歳巨乳美女・香奈を何時間もかけて愛撫するわ、はめるわ、彼女とのエッチだけに本の半分以上を捧げている、ちょっと珍しい作品。その分、香奈がじわじわと、どこが、どんな風に、どうして感じてしまうのかをしつこく書いてあるんで、こっちにもじわじわきちゃう。
後半以降、香奈の妹、17歳の優奈がでてくるあたりから物語は終着へと向かうんですが、
この優奈の感じっぷりもすごくて、もう、この小説に出てくる姉妹の感じ方が自分に憑依してすごいことになります。読んでて喘ぎそうになるレベル。わたしだけでしょうか。
ゼッタイここに書いてある通りの愛撫とかされても、実際にはそこまで気持ちよくはならないはずなのに!! そんなにはめられたら痛くて泣くのに!! 官能小説マジック!!

オチでサブタイトルの【歪愛の標的】の真の意味がわかりますが、ふ〜んて感じ。でも、最後の最後の終わり方が、やはりフランス書院では珍しい終わり方でいい感じです。

こんなにいいと思うのに、アマゾンでは評価が低くてかわいそう。
男の人は好きじゃないのかな。主人公が絶倫だからかな。

『二十二歳の穢れ』 館淳一

タイトルからは察し得なかったけど、ハードすぎて濡れずに終わってしまったのは、大ベテラン先生であらせられる館淳一さんの『二十二歳の穢れ』。

これは先生が得意とするところのハードなSMもの。1996年に一度マドンナ社から刊行されていて、そのときのタイトルは『仮面の調教 女肉市場──下半身の品定め』だった(巻末に記載)。内容はこっちの方がめっちゃ忠実ですわ。
ものすごく責め&攻めがハードすぎて、痛そうで、泣いちゃいます。お尻も開発されちゃうし。

影のSM組織という非日常の世界をみてみたいとか、そういう人にはどうぞですな。
奴隷に対する命令の下し方とか、内容とか、非情で絶望感にみちているよ。

最近は主人公が性の経験を通して変わっていく〜ってのがみえるけど、90年代のはそんなことにはお構いなしな感じ。
そりゃ、奴隷前と奴隷後では人間が変わってしまうけどね。
あと、姉の弟に対する態度って、こんなもんだよね、というところに納得。
そしてこの小説。起承転結の、「転」のとこが爽快。ずーっとキツかったから、パァァッてなる。

『人妻たちの秘宴』 女流官能アンソロジー

女性の読者さんに読みやすい、ぐっとくるのは女性の作家さんのような気がします。
やはり心理描写が上手、とか、こんなこと女はいわねーだろ!ってことがないからでしょうか。基本的に。
たまにそうじゃないときもありますけど。
ちょい古めの官能小説だと、実際にこんなこといわないでしょ!
な、言い回しがでてきて萎えちゃうこともあるんですよね。
無駄にあまったるいしゃべりかたとかもね……。

河出書房のこの女流アンソロジーシリーズはここ最近、活躍している女性作家のみ収録。
なんとなくですが、他社のアンソロジーものよりも河出i文庫のは捨てがない。
うーん、いや、際立ってよいです。書き下ろしが多いせいもあるんでしょうか。
とくに、この『人妻たちの秘宴』の女流アンソロジーはオススメ。
ハードさは皆無だけれど、その分丁寧にセッ クスに至る描写がされていると思う。
その中でも気に入った作品が多かったのはこのアンソロジーですね。
好きな作家さんを探すのにも、お得でいいですよ。

ちなみに気に入った収録作品はこちら。

●黒沢美貴さんの「雨上がりの鳥」
ラブストーリーとしても読める。きれいでさらっとしてる。
●響由布子さんの「百円ショップの女」
迷う人妻。このエッチしてないのに体がむずってしまう感覚とかもう、すてき。切ない。
●渡辺やよいさんの「転落の人妻」
女友達の関係性にもドキッとする。愛らしい人妻が汚されるとこにはふるふる萌え濡れた。

「百円ショップの女」はもう何度読み返したことか。
出てくる男は年下の遅漏なんだけど、官能小説で「遅漏」ってボキャブラリーみたのは初めてだったわ……。


2年前くらいまで、「人妻もの」ってちょっと抵抗あって買わなかったんです。
自分、人妻じゃなかったし、おばさんっぽい感じだったらやだなぁとかの理由で。
でも官能小説ってなぜだか、いや、年配の男性が主要読者だからかな、タイトルに「人妻」ってつくのが多い!! 登場人物でも多い。「人妻」を避けては、読む官能小説がなくなってしまうくらい。
仕方ないので、手にとって読んでみたのですが、別段おぼさんっぽくはないし、ことさらに人妻人妻してる方が少ないし、人妻とうたってないものとそう変わりはなかったので、それからは普通に買ってます。
なので「いやー人妻ものって、ちょっと自分の環境と違うし」って敬遠する必要はないよーのアナウンスでした。

わたしが読まないのは時代物ですかね。ちょっと設定に入り込めないことが多いので。

14.11.11

『働く女 夜9時の凌辱研修』 常盤準

とにかくバラエティに富んでいて……あれもこれも楽しめるところがお得。
プレイがディープすぎないので安心して読めましたし。

この写真、わたしが読みながら濡れ場と思われる箇所、
なにかしらのプレイが出てくる場所に付箋を貼ったらば
こんなことになってしまうくらい……





コンテンツもりもりすぎ。

常盤準先生(名義で)は作品点数多くはないので
一冊一冊が充実しているタイプの作家さんだと思う。
その中でも、この『働く女〜』の内容の詰まりっぷりはハンパないのですよ。

主人公は27歳の男・加藤、会社員。
奥手だった彼が次々に関わりをもっていくのが……
従順な処女の新入社員の22歳の夏美。彼女とは主にオフィス。
性を謳歌する同期の総務部員、薫。彼女とは、カップルチックに。
憧れの女上司・怜子は32歳の人妻で……。

女性と話すのが苦手だった男が、自分のセッ クスの自信を持ち
変わっていく成長ストーリーでもあるんだけど、
成長の証としてか、怜子対してだけ接し方が大きく変わっていくのよね。

オモチャを使った遠隔放置プレイ、羞恥プレイ
給湯室、医務室、応接室、打ち合わせスペース、etc.と、
オフィス内でのセッ クス展開だけでもかなり充実してるのに、
彼女の部屋で、旅行先で、と他にも色んなところでしまくってます。
ほんと感心するぐらい色んなところでしてるわ……。

これ一冊がプレイのオムニバスみたいで、
5年くらい、これ一冊だけでネタは充分って感じがする。
エロスの玉手箱や〜★